中国ドラマ- 三国志外伝 愛と悲しみのスパイ－風起隴西－概要
中国ドラマ- 三国志外伝 愛と悲しみのスパイ－風起隴西（ふうきろうせい）－は、三国時代を舞台にした中国の歴史スパイサスペンスドラマです。蜀の諜報機関（スパイ組織）を舞台に、魏との情報戦や内部の裏切り者をめぐる緊張感あふれるストーリーで、誰が味方で誰が裏切り者なのか、予測がつかない展開が続きます。
物語の中心は、蜀の密偵「白帝（はくてい）」こと陳恭（ちんきょう）と、その盟友・荀詡（じゅんく）。魏軍との戦いの背後で、蜀内部に潜む「内通者（モグラ）」を突き止めるため、彼らは命がけの情報戦に挑みます。
監督:ルー・ヤン（路陽）
原作：馬伯庸（マー・ボーヨン）の同名小説
原題：風起隴西 –Spy of Three Kingdoms-
制作：2022年（中国）
中国ドラマ- 三国志外伝 愛と悲しみのスパイ－風起隴西－あらすじ
魏、呉、蜀が覇権を争う三国時代、蜀の丞相・諸葛亮（しょかつりょう）は魏を打つために北伐を進めたが、密偵「白帝（はくてい）」からの偽の情報を頼りに伏兵を張った結果、馬謖（ばしょく）が守る街亭（がいてい）を失うという痛恨の失敗を招いてしまった。失敗の真相解明を命じられたのは、諸葛家に仕えるスパイ一族の出身、司聞曹（しぶんそう）の荀詡（じゅんく）だった。荀詡は、白帝は義兄弟の陳恭（ちんきょう）だという事を知らされたが、裏切り者と疑われる白帝を始末するため、潜入捜査を開始した。しかし、そこで彼が見つけたのは蜀内部に潜む魏のスパイ「燭龍（しょくりゅう）」の存在だった。果たして本当に裏切ったのは白帝なのか。再会した陳恭と荀詡は、陳恭の身の潔白を証明するため、燭龍の正体と証拠を見つけ出すことにした。
中国ドラマ-三国志外伝 愛と悲しみのスパイ－風起隴西－あらすじ-13話(吹替版）17-19話（字幕版）
高堂秉（こうどうへい）は荀詡に「話すべきことは話した」と言って、残りの話は赦免の約束がとれたら話してやると自信たっぷりだったが、荀詡は、「翟悦（てきえつ）はお前に殺された。条件を飲めば、思之（しし・陳恭）だけでなく、従妹の魂にも顔向けできぬ」と相手にしなかった。「死者は戻らないが人は生きなければ」と焦る高堂秉に、荀詡は１日だけ待つことにした。
皇宮から戻る馬車の中で、狐忠は李厳に「司聞曹を陳恭に任せれば馮膺は不要では？」と言ったが、李厳は「一人に力を集中させてはならない」と答えた。馮膺（ふうよう）と楊儀、２人とも抱えるほうが、この先も安定すると話していると、馬車の前に馮膺が現れ、道の真ん中でひざまずいた。そして、お話がありますと言って屋敷に連れて行った。贅を凝らした屋敷は、馮膺が李厳のために用意したものだった。
荀詡が庭で歩行訓練をしていると、陳恭がやって来て「高堂秉に会ってきた」と言った。荀詡がきつくあたっている事を知り、陳恭は「孝和、尋問では私情を挟まず、冷静になれ。いっそ、私に任せるか？」と尋ねた。
馮膺は柳瑩（りゅうえい）を、李厳の別荘に案内し、気に入ったなら、越してきたらいい、と言った。すると、喜んだ柳瑩はいきなり馮膺の頬にキスをした。馮膺は「私を殺す気か？」と怒った。感謝したい気持ちを伝えただけよ、と柳瑩が言うので、馮膺は「感謝したいなら、見聞きしたことを時折、伝えよ」と命じた。
李厳がお気に入りの琴を奏でていので、馮膺と柳瑩は琴の腕前を褒めた。李厳は喜んで、柳瑩のために作ったという詩を読んだ。柳瑩はその詩を褒め、いきなり手をついて、幼い頃に両親に生き別れて頼るところがない身です、どうかお情けを、と訴えた。李厳は「山に丘がなくなり、川が干上がらない限り、そなたを見捨てたりせぬ」と言った。
荀詡が陳恭と一緒に食事をしている所に「一大事です」と裴緒（はいしょ）が入ってきて、高堂秉が自害したことを伝えた。
夜になって酒を飲みながら李厳は、朝議を通して諸葛亮（しょかつりょう）とは水と油の関係になり、いずれ決裂すると話し、密勅を賜った事を明かした。そして諸葛亮を「君主を欺いた罪」に陥れるように、馮膺に策を練らせることにした。
牢の中で高堂秉が死んでいた。机の脚を割り、そのかけらで喉を突いたようだ。荀詡は自害という事を信じられなかったが、陳恭は「こうなってかえって都合がよかった。自害として処理しろ」と言った。しかし、荀詡は、高堂秉が机を割ったのに、手に傷がなかったことから、しびれ薬を飲まされて自害に見せかけられたのだと思った。
天水では、郭淮（かくわい）が黄預（こうよ）を連れて来て、郭剛に会わせていた。そこで、陳恭は自分たちの仲間であることを告げられたが、黄預には、陳恭に五仙道が壊滅させられた恨みがあるので「陳恭は根っからの悪党です。信じぬように」と訴えた。しかし、郭淮は、陳恭と協同するように命じ、恨みもあろうが大局を重んじるようにと言った。
陳恭は、李厳が不在の時に柳瑩に会いに李厳の別荘を訪ね、高堂秉の死を知らせた。柳瑩が李厳が書いた詩を見せると陳恭は「高尚な趣味だな。いつか脅迫するネタにしよう」とその詩を懐にしまった。
荀詡は馮膺に、高堂秉は自害ではないのに、陳恭が自害にしろと言っていますと伝えた。すると、馮膺は、陳恭の言うとおりにするように命じた。
陳恭は柳瑩に、数日中に馮膺を捕らえることを伝えた。罠にはめるつもりなので、柳瑩が知っている馮膺の情報伝達ルートを聞いた。柳瑩は「青石谷の赤岩峰」だと教えた。
馮膺の所に楊儀が訪ねてきて、二回目の北伐の決定を知らせ、「そろそろ網を引く時がきたぞ」と言った。馮膺は楊儀に、青萍（せいひょう）計画の郭淮の真の狙いは、李厳を制圧することだったことを明かし、馮膺自ら、李厳の腹心になった事を教えた。しかし、その計画の事を丞相・諸葛亮は知らず、大勢を巻き込み、露呈すれば、自分たちは殺され、丞相だけでなく、司聞曹の皆にも累が及ぶ事を思うと決心がつかなかった。それでもやるしかないと楊儀は言った。
馮膺は、気になることが二つあると言う。ひとつは陳恭が、父の死に馮膺が関わっていると思っていることだ。そして、もう一つは荀詡に高堂秉の死への関与を暴かれるかもしれない事だった。
その頃、荀詡は、自害と報告するよう命じられた事で不信が高まり、裴緒に牢の様子をもう一度訊いた。夜回りが牢の中の高堂秉の異変を発見し、裴緒が駆け付けた時にはすでに死んでいたのだと言う。という事は、夜の食事時間から約３時間半の間に死んだことになる。しかし、鍵は２重にかけられ、痕跡を残さずに侵入するなど無理な話だ。
馮膺が、李厳の別荘に着いた。李厳は皇帝の密勅の件に触れ、提案を求めた。馮膺は、こたびの行動の目標は、密勅により北伐を阻止する事と、実際の行動に将軍は関わらない事の二つで、全部で３段階の連環の計を考えた。簡単に言うと「刀を借りて人を殺す」策なのだと言った。
今回の北伐の戦術は、かつて韓信が使った策を模倣したもので、魏延が陽動作戦で隴西を攻める隙に、丞相は主力を率い、古道を通って陳倉を奇襲し、その後、長安を狙うというものなので、その情報を魏に流して、魏延の部隊をせん滅させ、丞相の攻勢を遅らせ、時を稼ぐのだという。
陳恭は、その計画には難点が２つある事を指摘した。１つは、丞相の北伐の戦術は最高機密なので、もし、連絡係が捕らえられたら、情報源である李厳は突き止められ、売国の大罪に問われてしまう事。２つ目は、諜報機関の情報は、虚実ないまぜなので、魏の上層部が、我々からの情報を信じる保証がない事だった。しかし、馮膺は、自分には郭淮と直接、連絡する経路があるから大丈夫だと言った。
計画の２段階目は、呉軍に変装した将軍の腹心が、関所を襲い、呉と蜀の商道を断ち、呉の侵略だと偽り、蜀軍が挟み撃ちにあっているように見せかけるのだという。その偽情報を聞いた皇帝は、丞相は不在なので、李厳に速やかに解決するよう命じるであろう。そこで、李厳が呉との戦に備えるという口実で、呉との前線に兵糧を送り、北伐を覆せるが、それは謀反になってしまう事に李厳は気が付いた。
謀反になっても、うまくいけば大業を成し遂げらると、陳恭も賛成したので、李厳はその策を採用することにした。
荀詡は裴緒に「誰にも知られず高堂秉を殺せるのは、馮膺しかいない」と馮膺への疑いを口にした。そして、馮膺の衣の袖に、牢の内壁だと思われる汚れが付着していたことを思い出し、裴緒に確認するように頼んだ。
陳恭と馮膺を送り出した後、狐忠は李厳に、馮膺の計略は悪辣だと批判した。李厳は、馮膺の命を助けた自分への恩返しだと思いつつ、馮膺をあまり重用しないようにと言った。
裴緒は馮膺の衣から、高堂秉を殺した木片の破片の一部を見つけ出した。それは馮膺が牢に入ったことを証明するものだ。荀詡は、それを持って陳恭と話し合うことにした。
中国ドラマ – 三国志外伝 愛と悲しみのスパイ－ 風起隴西 （ふうきろうせい）－ あらすじ 14話 (吹替版) 19-20話（字幕版）
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